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散りばめたホットケーキはコーヒーを染み渡らせる他に道はなくて。マイナス40度の国立極地研究所で南極観測を60年続けて何を得ましたか?鹿肉を頬張る権利を捨てても氷の気泡は広がっていくよ。ねえ埃を被っていても平気な顔してるキャンドルは自分の役割を忘れたわけじゃなくて。忘れたのはあなたでしょう?一本線の繋ぎ目をそれはそれは丁寧に引き千切って、それはそれは満足気に笑えるなんて、わたしには知らないことが多すぎる。ヒビ割れたグラスは水を零すことなく、じゃあまだ使えるなんて口つけて、喉が潤うほど唇が傷ついていることにも気づいていないんだね。渦巻くコースターを信頼してはいけないって誰に聞いたんだっけ。繰り返し繰り返し律儀に続けたから、結局はどうしようもない拘りだけ残って、遠くても近くても差異はなくて、でも許せないのをわたしは知ってしまってから、マスカラを綺麗に塗ることを辞めて、欠伸で濡れた瞳から落ちる涙と汚らしく落ちる黒い感情を絡めて、ボロボロに朝を迎えました。吊り上がった目で不機嫌そうな顔をするのをわたしの気が済むまで辞めないでね。