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書いてたブログが全部消えた

 

 

 

 

 

 

ので、別の話をしましょう。

 

このブログはよく分からないようなことばかり書かれていて、これだからメンヘラって困る。

ただその時は本当にそんなようなことを考えていて、書き殴っただけの文脈も起承転結もない乱文で、暗号みたいなそれは自分の気持ちを思い返すには十分です。

 

そうそう、本を買いました。装丁が素敵!裏表紙の文章も興味を引く!と直感に頼りきって買ったタイトルすらも思い出せない本を読み始めたら、生理的に受け付けない言葉の並びをしていて、でもそれって読まなければわからなくて。

騙されたとは思わないし、最後まできちんと読み切るつもりでもあるけれど、ああなんだか人間もこんな感じだよなあと思いました。

 

真っ赤な明日に期待を膨らませて、しかし日付を越えて寅三つ時になっても暗闇に身を委ねられないので、掌の光を道標か何かと勘違いしているんです。

どうかどうか、と想いを馳せてもそれは祈りにも願いにも満たないものなので、誰も叶えようとはしてくれないのは分かっていて、そして例え祈っても願っても叶えるのは誰かではなく自分だということも分かっているので、と自分も相手も安心させる術を知っています。

だから悲しいことはやめてね。

 

 

おやすみ。

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結局のところ、自分は自分でしか満たせないことを知っています。覗いた先に何も見えないのはピアスの穴と同じで、そのうち塞がったりして、嫌なことがあったからとか、スッキリしたかったからとか、そんなどうしようもないくだらない理由を掲げて、皮を貫いて血を流すんです。黒いベロアの生地に張り付いたホコリを全て取り除くなんて、きっと誰にもできません。飛び切りに濃いブラックコーヒーは、口が横一線に波打ってしまうような酸味が一切無く、飛び切りにわたし好みでした。背伸びはいつしか習慣として何の違和感もなく定着します。ミルクを混ぜ切らない、煙のように黒を侵していく白が渦巻くくらいが丁度良いのだと、そんな言葉を思い出してみたとしても、これはとても便利な言葉を使いますけれど、好みなんて人それぞれですから。ですからわたしは今日もブラックコーヒーを飲みました。領収書に貼られた収入印紙を眺めて、粘着部が白く残るように汚らしく剥がしてみたくなる衝動は、感謝も何もあったものではなくて、口元までファスナーを上げます。わたしだけ仲間外れだなんて、やってくれるなあと感心しながら、嫌味の感情を心に宿しながら、また他人を諦めて、目を閉じて、煮えくり返らせて、シメに固めに炊いたお米でも入れましょうかねってするだけできっといまは良いんでしょう。

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そうですそうです、わたしは嘘をつきました。チーズを湯船に浸して水で流し込みます。何を守ってきたかとか何を捨ててきたかとか、そんなこと結果論でしかなくて、結局はいつまで経ってもどっちに転んでも満足できないんでしょ。みんなの目を盗んで机のしたでこっそり手を繋ぐような、スリルを感じながら秘密を共有するような、視線にわざと気づかないフリをするような、なんでもないような顔してわざと肌を触れさせたりするような、そういったものが大好きなんです。わたしが用意した一本道を綱渡りすることができますか?気に入らなったら切っちゃうよ。手を離しちゃうよ。先に帰っちゃうよ。そんなことできないよ。同じことを繰り返しているようで、実はそうでもなくて、けれど客観的に見たら全部同じなんだろうなと、また、わたしは他人を諦めます。もう分かってくれとも分かろうとしてくれとも、そんな縋るようなことを言うのはやめて、ああコイツは何も分かってないなあって思っているだけで十分でした。ボヤけた文字をひとつひとつ確認します。大切なものは見えましたか?ではまずそれを捨ててから話しませんか?

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寒さと飲みすぎたお酒のせいで身震いする冬の冷え切った朝は、気持ち良さと気持ち悪さが背中合わせをしていて、でもねそれは意外にも心地良いものでした。微かに聞こえる呼吸を、大事に大事に思っていた時も実はあって、けれどその事実は少し前に置いてきたもので、ならば拾い集めようとするのは見当違いも良いところだな、と独りでに思ったりするわけで。吐き出したはずのタバコの煙が未だ胸に渦巻いているような感覚を、リセットされたかのように澄んだ朝の空気を深く吸い込んで、吐き出して、自分が世界の一部になったように、それならば遠くへ遠くへ行こうと思うのは、正しい方法ではないような気がして、でもそれしかやり方を知らない。ねえほんとは掛け毛布はひとつだけで十分なんだよ。天井は手を伸ばすときちんと落ちてくるし、ただ掴めないだけで、それを除けば期待に応えてくれるのがわたしはとても好き。あともう一階がつらい階段も、歯磨き粉がこびりついたフローリングも、水の浸かった洗い物も、あちこちに脱ぎ捨てられた服も靴も、何もかも許す代わりに何も許せない気持ちを大事に大事に持っていることだけは許してください。頭の先まで潜った先はカラカラに乾いた世界だと知って尚、潜って、沈み込んで、干からびていても手を差し出してほしいと願うのは、きっと間違っているんだろうな。

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散りばめたホットケーキはコーヒーを染み渡らせる他に道はなくて。マイナス40度の国立極地研究所で南極観測を60年続けて何を得ましたか?鹿肉を頬張る権利を捨てても氷の気泡は広がっていくよ。ねえ埃を被っていても平気な顔してるキャンドルは自分の役割を忘れたわけじゃなくて。忘れたのはあなたでしょう?一本線の繋ぎ目をそれはそれは丁寧に引き千切って、それはそれは満足気に笑えるなんて、わたしには知らないことが多すぎる。ヒビ割れたグラスは水を零すことなく、じゃあまだ使えるなんて口つけて、喉が潤うほど唇が傷ついていることにも気づいていないんだね。渦巻くコースターを信頼してはいけないって誰に聞いたんだっけ。繰り返し繰り返し律儀に続けたから、結局はどうしようもない拘りだけ残って、遠くても近くても差異はなくて、でも許せないのをわたしは知ってしまってから、マスカラを綺麗に塗ることを辞めて、欠伸で濡れた瞳から落ちる涙と汚らしく落ちる黒い感情を絡めて、ボロボロに朝を迎えました。吊り上がった目で不機嫌そうな顔をするのをわたしの気が済むまで辞めないでね。

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カレーの鍋を選ぶのは何故かとても大切な決断のように思えました。タバコの煙は行き場の無い感情までもを吐き出してくれているような気がして、自分の気持ちを自分だけで消化できないことが情けなくて悲しい。干された服も畳んだ服も袖を通すことを待ち望んでいないように見えて、しかし服の気持ちなんて分かるはずもないな。けれどそれはまるで折り畳んできっちりと積み込まれたゴミ袋みたいで滑稽で利口だと思いました。スプーンは底にこびり付いて、ああどうしようもなく乾いた時間が流れています。躓いたあとの靴の擦り傷とか、濡れた手でめくって少し波打ったレシピ本の1ページとか、暖房に煽られ揺れるティッシュペーパーとか、噛んだあとの唇の凹凸とか、きっと知らないままで知ろうともせずに夜は明けていくもんです。ツノはどうしましたか?とうに世界は終わって、これからトンネルを作ろうと思っています。潜ることは出来ても吐き出すことはできない場所で、きっとまたカレーの鍋に悩んで、それとない理由をつけて、見たこともない宇宙を作り上げるんです。